筆者は国内の工具メーカーで一番Ko-kenが好きです。
コーケンはちょっと変わった工具が多く、特定の状況下で恐ろしく役に立つ工具が多いと感じます。
実際筆者が新人メカニックだった頃は、散々助けられてきました。
そんな愛するコーケンが販売しているラチェットハンドルの上位モデルZ-EAL。
ジールのシブイチスタンダードラチェットを購入したので、今日はこれを紹介していきます。
シンプルな袋に入って到着
過去にコーケンの工具は色々買いましたが、一度も化粧箱に入っているものは見たことがないです。(筆者がしらない工具で箱入りのものがあったらごめんなさい)
今回はAmazonで購入しました。

シンプルな袋に入った状態で到着。当然ですが日本製です。

新品なのでメッキも美しい。
コーケンのメッキはスナップオンやネプロスのようなギラついた感じはありませんが、どことなく艶のある大人っぽい感じに見えます。(筆者はコーケンびいきなのでそう見えている可能性もあります)
ギア数は少ないが気にならないほど良い出来
最初に言います。
このラチェットはギアの歯数が36ギアと少ないです。
送り角も360÷36=10°と決して小さい訳ではありません。
単純にギアの歯数が多ければ多いほどギアの送り角は小さくなりますので、作業性は比例して上がります。
実際、筆者も以前はラチェットハンドルはギア数至上主義者でした。
が、コーケンのラチェットを触ってその考えが変わったのです。
それくらい衝撃的なラチェットハンドルですので、ぜひ素晴らしさを知ってほしい!
詳しくは後述しますが、コーケンの独自技術による空転トルクの軽さのおかげで送り角の小ささが気にならないのですよ。
Z-EAL 2725Z 1/4の素晴らしいところ
コンパクトでかわいい。しかも手に馴染む
今回紹介している2725Zは、立ち位置としてはショートラチェットではなくシブイチのスタンダードラチェットとなります。
この絶妙なサイズ感が手に馴染むし、作業していて心地よい。
全長わずか114mm

サイズ感を伝えやすくするために、手元にあった単三電池と並べてみました。
実物のサイズ感もイメージしやすいのではないかと思います。
実際に手に持ってみると、手のひらの中にほとんど収まるので片手作業も実に快適。
筆者はシブイチラチェットを片手で使うことが多いのでとてもフィットします。
ヘッド部の厚さ、わずか9.5mm(実測は9.6mm)
メーカー発表の数字では、ヘッド部の厚さは9.5mmです。
以前紹介したSK11のラチェットは10.5mmでした。
10.5mmでも十分薄いのですが、そこからさらに0.5mmも薄いというのはコーケンの技術力の高さの証明ではないでしょうか。

実測値では9.6mmになってますが、筆者のノギスは安物なので誤差だと思います。
グリップの太さ15.3mm(実測)
片手で作業することが多いので、グリップの形状も結構重要なファクターです。

筆者の安物ノギスですと15.3mmでした。メーカー公称値は発表されてませんので、おそらく15.0mm前後でしょう。
グリップは抜けにくく滑りにくい造りになっていて文句なしなのですが、グリップだけ別メーカーのものに変えたりするのは難しそうです。
とにかく軽い。色んなものが軽い
重量が軽すぎる。わずか79g(実測は78g)
とても手に馴染むコンパクトなサイズ感だけでなく、重量も非常に軽量です。

御覧ください。80gを切る軽さです。
メーカー公称値は79gですが、筆者の環境では78gと出ました。
ヘッド部と同じく誤差だと思いますが…。
シブイチラチェットは長めのエクステンションをつけて仰向けになって作業することが多いので、本体の軽さというのはとても大切です。
このくらいの重さなら長時間の作業もいけそうですね。
軽すぎる空回しトルク
Ko-kenのラチェットの最大の特徴といえば、この空転トルクでしょう。
動画でトルクを伝えるのはちょっと無理があるんですけど、雰囲気だけでも伝わればいいかな。
この空転時のトルクが軽いおかげで、ボルトナットの共回りが極端に減ります。
ラチェットを戻すときにボルトやナットが一緒に回るのって地味にストレスなので。
お財布の負担も軽い(安い)
日本製でこれだけ独自技術モリモリ、しかも高品質なのにぶっちゃけ安いです。
筆者は今回Amazonで買いましたが、行きつけの工具屋でも大体3000円台。4000円せずに買えます。
コーケンは工具が壊れた場合のリペアキットも販売しているので、一つの工具を大事に使い続けることも可。
これって本当に嬉しいポイントなんですよね。気に入った工具が修理不可で絶版だったりしたときのショックがデカいので。
2725Zのぶっちゃけ残念なところ
ソケットに対して上からのトルクがかかると回転が固くなる

地味に気になるというかストレスに感じる部分です。
過去にコーケンの3/8サイズラチェットを触ったときはそんなことがなかったので、もしかしたらシブイチ特有のものか筆者の買った個体による特性か。
時間があるときにちょっとバラして、余分なグリスを拭き取ったり別の粘度低めグリスをさして様子をみてみようかなと。
切り替えレバーの動きがイマイチ

ラチェットのギアがフリーな状態になっていないと切替レバーが動きません。
エンジンルームに片手だけ突っ込んで手探りで作業することが多いんで、ちょっと困りますねこれ。
「ちょっと良いシブイチが欲しい」って人にうってつけ
最後にまとめます。
- 36ギアが気にならない空転トルクの軽さ
- 軽量コンパクト
- 一流メーカーのシブイチが超安く買える
- 一部の状況下で動きが悪い
- 切り替えレバーはぶっちゃけダメ
- 工具専門店か通販でしかまず見かけない(ホームセンターにはめったにない)
筆者がKo-kenファンなことを引いても、十分すぎるくらい素晴らしいラチェットと言えます。
国内メーカーのシブイチは欲しいけど、KTCやTONEはちょっと高い…とか考えている人にはうってつけでしょう(そこまで極端な価格差はないですが安いです)。
どんな良い工具でも何かしらのメリット・デメリットは存在します。そのへんを踏まえつつ、自分の作業に合わせてベストマッチする工具を探していくのも楽しいものですね。
ではまた、別の記事でお会いしましょう。
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